決算インタビュー
2009年3月期決算について

2009年5月26日

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昨年10月の持株会社体制発足後、初めての2009年3月期連結決算は減収減益となった。ただ、2010年3月期に入り早々にイギリスの大手ゲーム会社である英国Eidos Ltd.(以下アイドス)を完全子会社化するなど、グローバル市場を見据えた攻めの体制が整備されたという明るいニュースもあった。今回は、2009年3 月期連結決算の総括に加え、世界のメディア・コンテンツ産業でトップ10を目指すための今後の戦略などについて和田社長に聞いた。

2009年3月期通期の決算実績
ゲーム事業とAM等事業は苦戦、出版事業やモバイル・コンテンツ事業等は好調

まず、2009年3月期連結決算ですが、残念ながら前期に引き続き減収減益となりました。これをどう評価していますか。

和田

ゲーム事業とAM等事業は苦戦、出版事業やモバイル・コンテンツ事業等は好調

ただただ反省の一言です。ゲーム事業が散々な成績でした。「ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人」の発売が2010年3月期(7月11日)にずれ込んだことが大きな原因ですが、本来、「ドラゴンクエストⅨ」が延期となったことで収益にこれだけインパクトが出てしまうこと自体が大問題なのです。従来から課題として掲げていた開発プロセスの改革がなかなか進んでいないのが根本的な原因の一つです。社風の変革なしには進まない話ですので、いま少し時間がかかると見ています。 また、タイトーの全事業が含まれるAM等事業も厳しい状況が続きました。昨年秋以降、急激な落ち込みをみせ、テコ入れしようにもアミューズメント施設運営事業者に対するファイナンスが付かなくなり、結果として人気のある業務用ゲーム機でさえ販売が大きく伸び悩むなど収益を出しづらい状況に陥っています。また、金融危機発生以降の「消費マインド低迷」は間接的な影響でしたが、未だ払拭されないままです。

ゲーム事業では、ニンテンドーDS向けの「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」が日米欧累計で135万本を出荷するという数字もあがっていますが。

和田

連結決算実績と計画

ええ、好調だったものはいくつかありますが、全般的に苦戦しました。ゲームの販売本数の通期実績では、全世界で1,106万本と前年同期の実績に比べて335万本の減少となりました。そのため、売上高で363億4,300万円と前年同期比12.6%の減少、営業利益は41億6,200万円と同じく53.1%の減少幅になりました。
AM等事業については、過去3年間は赤字から黒字転換、そして成長へと計画通りに進んでいましたが、前期は売上高で582億6,900万円と前年同期比15.7%の減少で、のれん償却(約11億円)を含めると9億4,400万円の営業損失と低調に推移しました。上期だけ捉えれば、アミューズメント市場全体が厳しい中で、業界トップの既存店売上高成長率をキープできたことの意義は大きかったのですが、下期の不振が痛手でした。

苦戦する事業はありましたが、出版事業とモバイル・コンテンツ事業、その他事業はこの経済不況下にあって、増収を達成しました。

和田

出版事業やモバイル・コンテンツ事業が2008年3月期に続いて、好調に推移しました。なかでも、出版事業は以前から戦略的に取り組んでいるクロスメディア展開によりテレビアニメの放映がコミックの販売を後押しする好循環が継続しています。特に「ソウルイーター」、「黒執事」は評価も高く、アニメ化した反響で単行本が2〜3倍増になるといったケースも出ました。その結果、売上高は過去最高の129億8,500万円(前年同期比 16.4%増)、営業利益も同2.4%減ながら史上2番目の35億4,000万円を達成できたことは励みになりました。

モバイル・コンテンツ事業は、携帯電話向けのコンテンツを提供しているものですが、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」のポータルサービスが堅調であった上、「ファイナルファンタジーIV ジ・アフター −月の帰還−」といった新作が収益に大きく貢献し、売上高で前年同期比7.8%増の70億9,200万円、営業利益では同109.7%増の36億8,900万円を達成。注目点としては、営業利益率が通期でも52.0%と高い数値を維持できたことです。少し高すぎますが、まだ未着手である海外でのモバイル・コンテンツ事業を本格展開していく上で余力ができたと考えています。

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