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2012年3月期 株主の皆様へ

2012年3月期のアニュアルレポートより転載しております。

株主の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 2012年3月期アニュアル・レポートをお届けします。 当年度の経営成績は、連結ベースで、売上高1,278億96百万円(前年度比2.1%増)、営業利益107億13百万円(同46.2%増)、経常利益102億97百万円(同91.0%増)、当期純利益60億60百万円(前年度は当期純損失120億43百万円)となりました。 売上高営業利益率については8.4%、ROEは4.5%となっております。 1株当たりの配当は、30円(連結配当性向57.0%)とさせていただきます。

当社配当方針は、業績連動と安定還元のバランスに留意することとしております。業績連動については配当性向30%を目安としており、一方、安定配当を標榜していることから、最終損失になった2011年3月期においても30円配当としております。当年度もこれまでどおりの配当をお支払いしますが、本来の配当性向から逆算すれば1株当たり当期純利益は100円以上でなければなりません。 前年度から当年度にかけての回復は、内容に関しては本物ですが、道半ばと認識しております。

各事業セグメント総括

事業セグメント毎に振り返ります。 セグメント別営業利益推移をご覧ください[図1]。 前年度からの利益の増減で言えば、デジタルエンタテインメント事業が13億19百万円、アミューズメント事業が3億74百万円、ライツ・プロパティ等事業が62百万円の各々増益、出版事業が6億29百万円の減益です。全社消去・調整額で22億62百万円の改善となっており、前年度に資産見直しをかけた成果が出ております。 デジタルエンタテインメント事業は増益になっておりますが、数字以上に中身が変化しております。これについては後述します。 アミューズメント事業は、売上が横ばいの中、増益となっております。施設運営が低迷期を脱しつつあり、これまでの固定費削減が奏功しています。一方、アミューズメント機器については、大きなタイトルが2013年3月期リリースとなっており、当年度については利益貢献は限定的でした。当事業セグメントにおいては、低迷期に多くの業者が撤退した一方、市場の縮小が限定的であることから、残存者利得が狙えます。急成長分野とは言えませんが、安定的な利益貢献が期待できる状態に仕上げ、本来の目的である、家庭用ゲームでは決して実現できない空間演出を目指していきたいと考えています。 出版事業は、2010年3月期をピークに徐々に利益が下がっております。「鋼の錬金術師」の大ヒットに続き、「黒執事」「ソウルイーター」等、毎年ヒット作を生み出し、当年度も「妖狐×僕SS」を送り出す等、コンスタントに良作が提供できています。しかしながら、ヒット作を生み出す基盤を固めるために定期刊行物のライン増設やアニメ注力等を行っていることから固定費が上昇してきており、収支状況は厳しくなっております。根本的な原因は、経費増ではなく、収益機会が国内コミックスに限定されている点であると考えます。ヒット作が出せる体制さえ築いておけば、時間差はあるものの、海外展開、ネット展開で現状を打開できるものと確信しております。

■図1: 全社事業セグメント別営業利益推移


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