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2013年3月期 株主の皆様へ

2013年3月期のアニュアルレポートより転載しております。

平素よりスクウェア・エニックス・グループの経営に多大なご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。この度、2013年6月25日に開催された定時株主総会及び取締役会において、当社の代表取締役社長に就任いたしました。これまでの経験を活かし、新たな体制のもと、事業の大きな発展に向けて全力で経営にまい進してゆく所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、2013年3月期は、当社グループにとって大変厳しい一年となりました。売上高1,479億81百万円(前年度比15.7%増)、営業損失60億81百万円(前年度は107億13百万円の営業利益)、経常損失43億78百万円(前年度は102億97百万円の経常利益)、純損失137億14百万円(前年度は60億60百万円の純利益)と、スクウェア・エニックス発足以来初めての営業損失を計上いたしました。家庭用ゲーム機が今世代から次世代に移りつつあり、ソーシャルゲーム等の新しいゲーム分野が大きく伸長し、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスが急速に普及するといった大きな事業環境の変化の中、当社はデジタルエンタテインメント事業、アミューズメント事業、出版事業、ライツ・プロパティ等事業の各分野において事業に邁進してまいりましたが、デジタルエンタテインメント事業、なかんずくHDゲーム事業の不振、アミューズメント事業における新型業務用ゲーム機器販売の不振を受けて、グループ全体として営業損失を計上する結果となりました。

アミューズメント事業は、業務用ゲーム機器開発販売とアミューズメント施設運営よりなりますが、業務用ゲーム機器開発販売において年度前半に投入した新型機器である「超速変形ジャイロゼッター」が残念ながら大変厳しい結果に終わり、当初の見込みを大きく下回ることとなりました。新規IPでの挑戦で一定の成果は見られたものの、全体として大きくヒットするまでには至らず、計画出荷台数を大きく下回ることとなりました。一方で、アミューズメント施設運営は、年度を通じて堅調であり、特に年度後半は、既存店売上高の前年度対比でも103%と数字を伸ばしてきております。当年度は、このように業務用ゲーム機器販売の不振が大きく影響したわけですが、業務用ゲーム機器の開発力自体は、グループ全体として大きく伸びてきており、「ロード オブ ヴァーミリオン」「ガンスリンガー ストラトス」など強力なIPが育ってきております。バーチャルに対するリアルなエンターテインメントという文脈において、アミューズメント施設向けゲーム開発やアミューズメント施設運営は、今後も根強い需要が見込まれる分野であり、当社の事業ポートフォリオの重要な一部であります。来年度以降は、消費税増税というアミューズメント施設運営にとっては厳しいイベントが待ち構えておりますが、運営の一層の効率化と強力なIP群でそれを飲み込んで、大きく業績回復を目指す所存です。

出版事業は、売上高110億86百万円、営業利益24億84百万円と堅調に推移しております。新作の発掘からアニメ展開によるコミック拡販という流れがよく作用し、堅調な事業展開となっております。さらに、「ガンガン ONLINE」という新しい媒体による新作発掘も本格的に伸びてきて、「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」「月刊少女野崎くん」といった新規IPが数多く生まれ、雑誌と並ぶ新作発掘媒体としての存在感を増してきております。出版業界においては今、従来の紙媒体に加えて電子書籍の台頭といった大きな変化が起きてきております。当社はこういった流れに対しても柔軟に対応し、新しい事業機会を的確にとらえて事業拡大に努めてまいります。

ライツ・プロパティ等事業は、売上高32億64百万円、営業利益6億67百万円と堅調に推移しております。当年度は、「ファイナルファンタジー」25周年を記念してのコレクターズボックスの販売や、記念コンサートを実施し、好評をいただきました。また、オフィス移転に伴い、新オフィス敷地内にオフィシャルグッズショップ「ARTNIA」を開店し、沢山のお客様にご利用いただいております。キャラクターグッズ、CD等の販売に加えて、このような新たな試みに取り組むことで、当社ブランドの強化に貢献しております。


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