2011年11月25日 中央大学 講演概要
「ゲーム産業の業態変化」

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スライド10をご覧ください。過去30年の中では、やはり家庭用ゲームソフトの影響が大きかったので(今から大きいかどうかは別ですよ)その構造がどうなっているのかを少しだけ説明しますね。たった今の4兆というのを価値分析するとこんな感じ。ゲームコンソール作ってる会社は3社くらいですけど、ゲームコンソールの売上でこれくらい。小売店に卸して小売店で販売してもらいますから小売店のマージンがありますよね。ゲームコンソールのソニー、マイクロソフト、任天堂にこれだけの売上がたって(青色)、販売でリテーラーにこれだけの売上がたつ(赤色)という感じ。一方ソフト。ソフト屋さんの売上を世界中合計するとこれくらい。プレイステーションやXbox360やWiiとかDSにゲームを作りますと、我々のようなゲーム開発会社は、このゲームコンソールメーカーにフォーマットロイヤリティというのを払うんです。何%って言えませんけれども、イメージでいうとこんな感じです(青色)。ソニーのプレイステーションで遊べるソフト(別にソニーさんが開発を手伝ってくれるわけじゃないんですけど)を作るためにロイヤリティを払ってるんですよ。それがゲームコンソールメーカーの収入になります。この青いところ。ゲームコンソールメーカーというのはゲームコンソールの販売だけではなくて、ソフト会社からのロイヤリティと、メディア製造費の収入があります。PS3だとBlu-ray、XboxだとDVD。それからUMDだとかいくつかのメディアがありますよね。この製造もそれぞれのコンソールメーカーが独占してるんです、実は。例えばPS3でゲームを作るとします。Blu-rayにどういうデータを焼き込むかというのは、我々が自分でゲームソフトを作ってますから当然我々がわかります。Blu-ray工場なんて世界中にいくらでもある。ではうちでディスクを作っていいのかというとダメなんです。ソニーの工場で作ってください。そういう構造になってます。このビジネスモデルを発明したのは任天堂さんなんです。ものすごいイノベーションだったんです。すごくよく出来ています。じゃあコンソールメーカーが世間から絞り取っているのかというとそうではない。お客様視点で見ても有利じゃないと生態系は成り立たないですね。こんなエコシステムが何で成り立っているのかということなんですけども、お客様に非常に高い性能のハードが安く供給され、面白いゲームも潤沢に供給されるからなんです。ソフト会社からのロイヤリティ収入によって、ハードそのもののコストへの補填が行われるから、例えば今のPS3なんてそうですよ。ゲームが出来て映像がみれてインターネット端末としてもそこそこ機能していてBlu-ray プレイヤー、全ての機能を足してあの値段ですからね。インターネット端末、例えばもう廃れてしまいましたがeBookより安いですよね。iPhoneより安いですよね、それからBlu-rayプレイヤーなんかよりも全然安い。torne付けたらテレビの録画もできちゃう。これも録画機買ったらものすごく高い。どれと比べてもめちゃくちゃ安いんですよ。だからこの生態系が成立するんです。お客様にとってもすごく利便性が高い。そうなるといっぱい普及しますので(さっきの台数ですね)数千万台にもなるわけです。そうすると僕らは、みかじめ料を払って、そこの上にゲームを作ってもペイするんです。お客様がいっぱいいるから。僕らがいっぱい作る、いっぱいソフトが作られるとコンソールメーカーに利益が落ちる、そうすると研究開発費とか製造費がどんどん溜まってきてまたいいハードが出るという、誠にうまい循環になっています。これが今のゲームコンソールのエコシステム。でも、プラットフォームがWeb中心にシフトしていく過程で、3回目の大きな業態変換があるというのが、たった今の状態です。それでは各時点でどんなイノベーションが起こったのかということを簡単にお話します。

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