株主の皆様へ

グローバル化

いかなるエンタテインメントも必ず世界中に広がっていきます。 デジタル・エンタテインメントは最も後発でしたが、コンピュータ・ゲーム、ネット・コミュニケーション共にほぼ全世界に行き渡りつつあるのが現状である以上、対象市場をグローバルにすることは必須です。対応するために、コンテンツ開発、マーケティングの組織を諸外国に置くかどうかだけが、各企業に委ねられた選択肢だと思います。

我々は全てにおいてグローバル化する道を選択しました。 その大きな第一歩が英国アイドス社の買収です。買収後1年が経過しましたが、既に組織的な統合は完了し、個別開発プロジェクト単位での協働も始まっており、経過は非常に順調です。 これによって、欧米における開発能力及びマーケティング体制の双方を強化することができました。また、途上ではありますが、地域別の人員構成比率もバランスが良くなり、グローバル展開の基礎ができました(図5~図6)。 基礎が出来たと表現したのは、拠点を現状機能のままで拡張する意図ではないと申し上げたかったからです。 都市によって、人材のパフォーマンス、コストが異なり、取引環境も異なります。世界各地に窓が開いたことで、今後、グローバル化を推進する上で、最適な資源配分を考える土台ができたことを強調したかったのです。

■図5: スクウェア・エニックス・グループ拠点

スクウェア・エニックス・グループ拠点

■図6: 地域別の人員構成比

地域別の人員構成比

図7は、当年度300万本以上売れたタイトルの地域別販売本数です。 「ファイナルファンタジーXIII」は、日米欧3地域でバランスよく販売されており、累計販売本数は当年度末時点で555万本まで伸びてきています。「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」は、日本のみの発売ですが、426万本販売しています。また、「バットマン アーカム・アサイラム」は、日本での販売はまだまだですが、欧米中心に324万本販売しています。 グローバル展開とは、全てのタイトルを全世界で販売することでも、地域特性に合わせたタイトルを当該地域で開発することでもありません。 各タイトルは自らの特性を追求し、従って個別の販売実績には地域特性が表れ、それらが合成されたグループ全体の販売はバランス型になっているというのが、我々の目指すグローバル化です。 たまたま主力タイトルが販売された当年度に、目指すべき方向がよく表れたのではないかと思います。

■図7: 主力タイトルの地域別販売本数

主力タイトルの地域別販売本数

各地域におけるネット環境の進展が、コンテンツの国際交流をさらに加速させています。もはや、言語以外に障害はありません。 マーケティング上のセグメントをする際に、文化は依然として意味を持つものの、居住地域にはあまり意味がなくなってきました。 個客の嗜好」によるセグメントこそが肝要なのだと考えます。

以上、グローバル化については、今後、まずは現時点での骨格に、神経を張り巡らし、筋肉をつけていくことになります。
次年度は組織の定着が重要です。グループ全体を有機的に繋げ、各組織の実務執行能力を高めていくことに注力していきます。 なお、地域的展開としては、大きな課題として中国が残っています。 2010年度以降の最重要課題と捉えております。

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