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デジタルエンタテインメント事業の底流変化

デジタルエンタテインメント事業については、あらゆる端末、あらゆるジャンルのゲームが全て含まれています。あえてこのように大括りにしているのは、目下、産業の過渡期にあるため、適切な分類ができないためです。言い換えれば、分類したとしても変化してしまうのでセグメントの継続性が保証できません。しかしながら、現在の経営状況をご理解いただくためには、さらに詳細に内訳を示して説明する必要がありますので、便宜上、当セグメントを3分割します[図2]。 MMOゲーム(Massively Multiplayer Online)、SNゲーム(SocialNetwork)、HDゲーム(High Definition)の3つです。これは現時点の経営管理のための分類です。すなわち社内の組織の分類であって、市場やビジネスモデルによる分類ではありません。

■図2: デジタルエンタテインメント事業売上高推移

デジタルエンタテインメント事業売上高推移

MMOゲームは、元々安定収益源として期待していました。 「ファイナルファンタジー(以下FF)XI」は、ローンチから10年が経過しましたが、開発費のみならず、サーバー、運営スタッフ等の全てのコストを含めても、累積営業利益が400億円近くに達しており、単一タイトルとしては貢献度トップになっております。成功すれば非常に高い収益が期待できるジャンルです。また、MMOゲームの市場自体も順調に成長しています[図3]。一方、このジャンルは開発が困難でコストも高く、運営部隊も固定的に抱えなければならないことから、非常に参入障壁が高い。従って、少数激戦を勝ち抜けばグループ全体の収益の底支えになると考えました。 成功確率を上げるため、我々の最も強力なIPであるFFとドラゴンクエストに戦力を集中し、これらが成功するまでは他に手を拡げないという戦術を採りました。具体的にはFFXIは可能な限り継続。FFXIVについては、2010年に日米欧で立ち上げ、2011年から中国へも展開。さらにドラゴンクエストのMMO版を2012年に日本でローンチする予定でした。ところが、FFXIVのローンチで大きく躓くことになりました。FFのブランドが大きく傷ついただけでなく、グループ全体の収益設計が狂い、さらには開発スタッフのローテーションにも甚大な影響を及ぼしました。グループにとって大きな岐路でしたが、当初方針を変更すべきではないと判断しました。FFブランド再生とMMO市場に対する信頼回復のためにも、あえてFFXIVはシャットダウンせず、現行サービスは改良を加えながら継続し、同時進行で根本からの立て直しを図るという茨の道を選択しました。1年以上を経て2012年初から課金を開始しましたが、ゲームに対する信頼が予想以上に回復しており、ローンチ半年後には閑散としてしまっていたところから、むしろ課金開始後にお客様がどんどん伸びていっています。奇跡的な挽回で順調に軌道に乗せることができました。さらに、2012年から2013年にかけて大幅改訂版をリリースして完全復活を図ります。FFXIVは、今後、収益の柱になっていくものと確信します。なお、2012年ローンチに向けて、「ドラゴンクエストX」の開発は極めて順調に進んでおります。 当初計画から2年遅れましたが、当年度ようやく軌道修正が完了しました。我々のブランドに対する強い思い、困難を突破する実行力も示せたのではないかと思っています。2013年3月期には増収に寄与し、2014年3月期からは大きく利益に貢献してくるでしょう。

■図3: MMOゲーム市場規模の推移

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