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2) ゲーム機としてのスマートデバイス

スマートフォンやタブレットといったスマートデバイスは、それ自体はゲーム機ではありません。しかし、その急速な普及に伴いゲームを遊ぶデバイスの一つとして大きな地位を占めるに至っています。人々がそれらでゲームをプレイするというのは既に日常の光景となっており、スマートデバイスでどのようにお客様に私どものコンテンツを遊んでいただくかが事業戦略上の重要なテーマです。このような認識のもと、2014年3月期においてはいかにスマートデバイス向けゲーム開発、サービスを加速するかという点に集中して事業を進めてきました。その結果、年度後半以降、「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」、「スクールガールストライカーズ」のような大きなヒット作も出るようになり、相応の成果が顕れつつあります。また、この分野は日本国内が先行していたのですが、スマートデバイス向けゲーム開発に特化したスクウェア・エニックス モントリオールから「Hitman GO」というゲームをこの4月にローンチし、世界的に高評価を得ることができました。大ヒットというまでには至っていませんが、スマートデバイス向けゲームとして、そのゲーム性やアートスタイル等の斬新さを高く評価されたことは大きな成果であるとみています。今後は欧米においてもこのような成果を大きなヒットに結び付けることを目指します。

世界におけるスマートデバイス向けゲーム市場は成長著しく、その中でも、中国本土を中心としたアジア市場の伸びは特筆すべきもの(図1参照)があります。2014年3月期においては、私どもも「拡散性ミリオンアーサー」を韓国・台湾・中国本土向けに投入し、大きな成果を得ることができました。また、これはスマートデバイス向けゲームではありませんが、昨年8月にグローバルローンチを成功させ世界中から高い評価をいただいた「ファイナルファンタジーXIV」をこの夏から中国市場に展開し、本格的な中国進出を目指します。「三国志乱舞」をはじめとしたモバイルタイトルも積極投入することで、アジア市場からの売上をより一層成長させてゆきたいと考えています。 また、アジアのみならず、インドや南米等もゲーム市場としての成長が著しい地域です。これらの成長市場をいかに取り込むか、その鍵となるのがスマートデバイス向けゲームです。新興地域が経済成長するに従って、エンターテインメントに対する需要が大きくなることは間違いありません。その時に、人々がエンターテインメントコンテンツを楽しむためのデバイスは、スマートフォンでありタブレットです。そこへ私どものコンテンツを供給し、遊んでいただくことが大きなビジネスチャンスになります。2015年3月期は、こういった成長市場を攻略してゆくための足掛かりの年としたいと考えています。

3) 地域に応じたプロダクトポートフォリオ

従来の私どもの製品販売戦略は一つの製品をグローバルに売るというものでした。従って、グローバル市場を前提にゲーム開発を行ってきたわけです。しかしながら、各地域の文化や生活習慣は様々であり、そこで暮らすお客様のゲームの嗜好や遊び方も様々です。また、ゲームを遊ぶ環境自体も従来のゲーム専用機から、スマートデバイスといった汎用機やクラウドストリーミング等、様々な選択肢が提供されています。さらにゲーム開発自体も、そのすそ野が幾何級数的に拡大しています。「資金調達を行い、開発環境を整え、ゲームを開発し、開発したゲームを流通させ販売する。」というゲームビジネスの一連の活動は、従来、大規模資本を有する大手パブリッシャーしか成し得なかったのですが、「ゲーム開発ツールのオープン化・低価格化」や「クラウドファンディングによる資金調達」、「ダウンロードによる直接販売」により、大規模資本を不要とするようなエコシステムができ上がり、それがインディディベロッパーの隆盛につながって、沢山の新しいゲームが世界中から供給される状況が現出しています。このように世界的にゲームを遊ぶ環境のみならず、ゲーム自体も多様化・分散化の度合いを強めており、ゲーム市場を単純に「グローバル」という言葉で一括りにするのは難しい状況になっていると認識しています。

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