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2011年3月期 株主の皆様へ

2011年3月期のアニュアルレポートより転載しております。

株主の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

2011年3月期アニュアル・レポートをお届けします。 当年度の経営成績は、連結ベースで、売上高1,252億71百万円(前年度比34.8%減)、営業利益73億25百万円(同74.1%減)、経常利益53億90百万円(同80.6%減)、当期純損失120億43百万円となりました。 売上高営業利益率については5.8%となっております。

当年度は、改革の不徹底に起因する脆弱さが全て表面化しました。前年度までにほぼ処理が終了したとご報告しておきながら、誠に申し訳ありません。 新たな展開を徹底するためにも、バランスシートの再査定を行いました。その結果として最終損失を計上することになりましたが、財務体質そのものは依然として健全であるため、配当は30円とさせていただきます。 ゲーム産業は大きな変革期にあります。その中にあって当社グループは、従来のビジネスモデルからの収益を維持しながら、同時に、新たな産業の生態系を見据えて事業の骨格を変質させていくという、二正面展開を行っています。当年度については、遺憾ながら前者でつまずいたということになります。

環境変化は依然として激しいものの、当初より予想していたとおりの展開となっていることから、基本戦略には変更を加えません。 ①グローバル化 ②ネットワーク化 ③自社IP強化 これについては、後述します。

当年度の敗因

当年度は新作において結果が出ませんでした。 家庭用ゲームソフト市場の競争は激しさを増しており、トップレベルのものと全く収益に繋がらないものとの極端な二極分化の様相です。こうした環境であるにもかかわらず、対応が中途半端でした。新規タイトル立ち上げを急ぐあまり完成度につき詰めが甘かったこと、また、中堅クラスでデビューして次回作から飛躍しようという漸進策をとったこと、これらが敗因だと考えます。 また、成功を疑わなかった「ファイナルファンタジーXIV」(オンラインゲーム)でも大きくつまずきました。 開発組織運営の脆弱さが露呈した形となり、お客様にも株主の皆様にも多大なご心配とご迷惑をおかけしました。ファイナルファンタジーのブランド修復とMMORPG市場でのプレゼンス復活のために、あえてシャットダウンはせずに、チームを一新し、改修作業を進めております。作業は非常に順調に進んでおり、近い将来、最高のタイトルとして復活させる意気込みでおります。 こうした失敗に対する反省から、当年度下期より、主力フランチャイズを新旧合わせて約10に絞り込んで確立することにしました。これらについては、妥協のない開発体制で臨むこととします。当年度発売予定であった「デウスエクス」を次年度に延期して品質向上を徹底したのもこのためです。 新規タイトルの不振、「ファイナルファンタジーXIV」のつまずき、「デウスエクス」の発売延期により、当年度は当初予定していた利益計画を大幅に下回り、営業利益は発足以来最低水準の73億円まで落ち込むこととなりました。

復活の準備

まずは、期末処理に当たり、バランスシートを厳しく再査定することにしました。 営業利益73億円から最終損失120億円まで、為替差損21億円を除くと、172億円のギャップがあります。


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