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2020(令和2)年11月6日開催 第2四半期決算説明会概要

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2020(令和2)年11月6日開催 第2四半期決算説明会概要

株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
2021(令和3年)年3月期第2四半期決算説明会質疑応答

日 時:2020年11月6日(金) 18時30分~19時40分
回答者:代表取締役社長 松田洋祐


【主な質疑応答内容】

Q. HDゲームはQ2単独で約70億円の営業損失と推計するが、仮に「Marvel’s Avengers(アベンジャーズ)」の開発費の償却先行といった要素を除くと、黒字になるのか? 当該タイトルの関連費用がQ2で先行したとしても、損失が大きすぎるように見えるが、他に営業損失となった原因と考慮すべき点はあるか? また、Q3も同タイトルの開発費の償却負担が比較的残っていると考えるべきか?

A. 「Marvel’s Avengers(アベンジャーズ)」関連を除けば収支は黒字である。同タイトルについては、開発費の償却負担に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で遅延したマーケティング活動をリカバリーするため、ローンチタイミングに大規模な広告宣伝を行ったことも要因として大きい。Q3においても開発費の償却負担は一定程度あるものの、今後売上を伸ばしていくことで回収したいと考えている。

Q. 「Marvel’s Avengers(アベンジャーズ)」に関する、Q3の収支はどのように想定しているのか?

A. まずは売上拡大に取り組むことで、収支を改善させることに注力していく所存である。

Q. 今後投入するスマートフォンゲームの新作タイトル「NieR Re[in]carnation」に対する現状の評価と収益の貢献時期を教えてほしい。

A. 現状の評価としては、良い作品に仕上がっていると考えている。サービス開始時期に関する正式なアナウンスは現時点では行っていないが、可能な限り早いタイミングでお客様にお届けできるよう鋭意開発を進めている。一方で、長くお客様にプレイしていただけるクオリティを担保できるかどうかも非常に重要であると考えており、サービス開始時期に関しては、スピードとクオリティのバランスをしっかり考慮しながら最終決定する。

Q. 今回の決算で売上原価に含まれる評価減の金額は?

A. 上期累計で11億円となっている。

Q. 「Marvel’s Avengers(アベンジャーズ)」の初動が想定を下回ったとのことであったが、その要因を事前に把握し、防ぐことはできなかったのか?

A. 当社として、ローンチに向け十分な準備を重ねたが、至らなかった部分があったことは事実。今回の経験から得た教訓を今後のゲーム開発に活かしてまいりたい。

Q. 当社のHDゲームは、各四半期の業績のボラティリティが大きい印象だが、どのように考えているか?

A. DE事業に関しては、HD単独で見るのではなく、トータルで考えている。具体的には、HDゲームのボラティリティをMMOやスマホゲームも含めた継続安定収益によってどれだけカバーできるかが大事であると考えており、ボラティリティは一定程度想定したうえでHDゲーム開発を行っている。しかしながら、HDゲーム単独においても、デジタル販売の推進などによって今後収益性の改善を図っていくことは言うまでもない。

Q. 次世代ハード対応を今後本格化させるとなると、HDゲームの開発費は現状以上に増加することが予測されるが、HDゲーム以外の継続安定収益によって業績のボラティリティをコントロールできるのか?

A. 従前同様の開発スタイルを続けていくようだとコスト増加を避けることはできないので、開発リソースの共有化、プロシージャル技術の活用やQAの自動化などを通じて、開発費全体のバランスをとっていくとともに、それらを具現化する開発チームの今後の取り組みも注視していく。HDゲームの大型タイトル開発や、新規IP創出に向けた投資を継続的に行えるよう、継続安定収益基盤の強化を推進しており、相当程度の水準まで成長してきていると考えているが、今後もさらなる成長を図っていく。

Q. 新規IPでユーザー層の拡大という戦略を掲げている以上、当たり外れが大きいのは理解できる。ただし、デジタル化によって、発売前に何回かベータテストを実施し、ユーザーの反応によって、発売するのか否かの決断をする、という選択肢もあるのではないか?当社がそれを行わないのはゲーム性や世界観に合わないためか?

A. 難しい質問である。シングルプレイヤーのアクションアドベンチャーゲームやRPG(ロールプレイング)ゲームでのベータテストの実施はその範囲が難しく、ネタバレになってしまう恐れもある。発売前の早い段階で完成形を示すわけにもいかない。一方で、発売前のプロモーションとしてのβテスト、デモ版の重要性は高まっており、お客様の期待に沿った事前プロモーションの在り方を今後も模索していく。また、新規IPによるユーザー層の拡大については、新規IP創出は非常にチャレンジングであるとともに、難易度が増していることは間違いない。しかし、新規IP創出への継続的な取り組みは、当社の更なる成長において必須であり、今後も引き続き取り組んでいく。そして、このチャレンジを許容するだけの継続安定収益を今後も拡大させていくことが当社の考えである。


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