IR情報

2018年3月期 株主の皆様へ

デジタル販売の強化 / eコマース

デジタル販売の強化に関しては、特にHDゲームにおいて、お客様のゲームの購買が、従来のパッケージからデジタルフルゲームダウンロードにシフトする流れに合わせて、販売サイトの強化、リニューアルなどによって、お客様の購買導線をよりシームレスにするための施策を実施してきました。その結果、2018年3月期は、過去に販売したタイトルのダウンロード売上が増加したことで、HDゲームの売上に占めるデジタル比率は40%強と大きく伸長しました。デジタル購買の流れは不可逆的であり、今後は、単に販売サイトのリニューアルにとどまらず、お客様の嗜好やゲームプレイスタイルに合わせて、テーラーメイドの推奨を可能とするような仕組み作りが必要となってきます。当社グループにおいてはこのような取り組みは遅れていると言わざるを得ず、今後いち早くこの遅れをとりもどすべくシステム開発などを強化してゆきます。 さらに一歩進めて、このようなゲームのデジタル販売のみならず、当社グループの有するIPを一層活用するために、広い意味でのeコマース戦略を新たに5番目の柱として掲げます。自社製フィギュア・グッズ、ライセンスグッズなどの二次的著作物販売は、今まではライツ・プロパティ等事業としてセグメント認識し、原著作物を補完する位置づけとして展開してまいりました。しかしながら、昨今のユーザーの皆様の消費行動は、単に個々のゲーム・漫画をそれ単体で楽しむのではなく、そのコンテンツの関連商材を含めて総合的に楽しむ傾向が強くなっております。単にゲームをプレイするのみならず、その世界観やキャラクターの人となりをより深く楽しむようになってきています。SNSの普及に伴い、ユーザーの皆様のプレイ体験や評価・評判がより多くのプレイヤーの間で共有され、ユーザーコミュニティが世界的な規模で形成される時代になってきています。そこにおいては原著作物や二次的著作物の区分なく、ゲームや漫画などのコンテンツが一つの世界として楽しまれています。そのような意味で、従来は原著作物を補完する位置づけとしていたライツ・プロパティ等事業は、もはや補完的な位置づけにとどめるべきでなく、ゲーム・漫画などのデジタル販売と並んで、これらを含めて広い意味でのeコマースとして再定義し、その成長を目指すべきと考えております。これによりベースの収益がより厚みを増し、新たな新規コンテンツの開発投資が可能となってまいります。2019年3月期以降の新たな取り組みとしてeコマースをテーマに掲げるゆえんであります。

マルチプラットフォーム展開

マルチプラットフォーム展開に関しては、今年のE3でゲームストリーミングが一つの大きな話題となりました。現世代の家庭用ゲーム機もサイクルのほぼ終盤に差し掛かり、次世代機が話題に上りつつある中、ゲームストリーミングがいよいよ現実化しつつあります。この先数年のうちに5G(第5世代移動通信システム)の導入により通信環境が劇的に変わることが予想されていますが、クライアント環境によらないゲームサービスの登場は、従来のゲーム事業に大きなパラダイム変換を迫るものであろうと考えています。ゲームデザインのみならず、ビジネスモデルに至るまで従来のゲーム事業の在り方を根本から変える可能性があります。当社グループとしてはこの流れに対応すべく、研究開発体制、営業体制を強化して、さらなる事業拡大につなげてまいります。また、AI(Artificial Intelligence:人工知能)やブロックチェーン、XR(VR、AR(Augmented Reality:拡張現実)、MR(Mixed Reality:複合現実)の総称)などの新技術が、新たなプラットフォームを生み出し、一見私たちの事業からは飛び地に見える技術が、私たちのコンテンツと組み合わさることで想像もできなかった新たなサービスを生み出す可能性があります。ポストスマートフォンを見据えて、このような新技術への先行投資を積極的に進めてまいります。既に公表している通りベンチャーキャピタル経由で25百万USドルの投資枠を設定しております。このような新たな投資により、時代に即したコンテンツビジネスを展開してまいります。

株主の皆様の変わらぬご支援をお願い申し上げます。

代表取締役社長

松田洋祐


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