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2024年3月期は、売上高3,563億円、営業利益は325億円、経常利益は415億円、親会社株主に帰属する当期純利益は149億円と前期比で増収減益となりました。 なお、親会社株主に帰属する当期純利益の減益については、当該年度においてHD(High-Definition)ゲームタイトル開発方針の見直しによるデジタルエンタテインメント事業の一部コンテンツの開発中止に伴い、コンテンツ等廃棄損220億円を特別損失として計上したことが主要因です。 事業概況については、以下セグメント別にご説明申し上げます。
2024年3月期は、売上高2,481億円、営業利益は254億円でした。
HDゲーム(HD)においては、「FINAL FANTASY XVI」、「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」、「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」、「FINAL FANTASY VII REBIRTH」など複数の大型タイトルを発売したことにより、前期比で増収となりました。一方で、これら大型タイトルの発売に伴う開発費の償却負担や広告宣伝費の計上などにより、前期比では減益となりました。
MMO(Massively Multiplayer Online:多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム)において、「FINAL FANTASY XIV」に関しては、2024年7月の拡張パッケージ発売に向け、年間を通じてグローバルで様々な運営施策を実施してまいりました。また、「ドラゴンクエストX」に関しては最新追加パッケージを2024年3月に発売するなど、お客様へのリテンション施策を積極的に実施してまいりました。
スマートデバイス・PCブラウザ等(SD)においては、収益の大部分を占める日本国内のスマートフォンゲーム市場成熟化に伴い、新規タイトルのヒットが生まれにくくなっている環境の中、2023年9月にローンチした「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」は多くのお客様から好評をいただきました。また「ドラゴンクエストウォーク」をはじめとした主力タイトル群も堅調に推移しました。
アミューズメント事業においては、郊外型店舗が前期に引き続き堅調であったことに加え、既存路面店の売上高が好調に推移したこと等により、売上高615億円、営業利益75億円となりました。
出版事業においては、「薬屋のひとりごと」のアニメ放送に伴う大ヒット等により、紙媒体及びデジタル販売いずれも前期を上回り、売上高310億円、営業利益119億円となりました。
ライツ・プロパティ等事業は、「FINAL FANTASY VII REBIRTH」、「FINAL FANTASY XVI」等の当期発売タイトルに関する新規キャラクターグッズの販売が好調だったこと等により、売上高189億円、営業利益56億円となりました。
前中期経営計画は、2024年3月期を最終年とした3か年計画として、売上高4,000~5,000億円、営業利益600~750億円を目標に、2021年5月から様々な施策を実行してまいりました。2022年には海外3スタジオ及び一部IPの売却によって、DE事業におけるHD・SDのポートフォリオの再構築を実施しました。他にも、MMO事業の拡大による収益基盤強化、出版事業の安定的成長、アミューズメント事業における新型コロナウイルス感染症以降の業績回復、さらにはライツ・プロパティ等事業の継続的成長の実現等の成果をあげました。
しかしながら、HDを中心としたデジタルエンタテインメント事業の収益性改善、中長期を見据えた全社視点でのタイトルポートフォリオ管理などの面では課題が残り、最終年にあたる2024年3月期は、売上高3,563億円、営業利益325億円と、目標に対して未達の結果となりました。
以上が2024年3月期の業績および前中期経営計画の総括となります。