IR情報

2021年3月期は、売上高2,639億円、営業利益505億円となりました。HD（High-Definition：ハイディフィニション）ゲームにおいては、「FINAL FANTASY VII REMAKE」、「Marvel's Avengers（アベンジャーズ）」といった大型タイトルを発売いたしました。「FINAL FANTASY VII REMAKE」は、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し始めた時期の発売だったことから、流通面において今までに経験したことがない対応を迫られ、一時は発売すら危ぶまれる状況でした。こうした困難な状況下にもかかわらず、開発、営業の双方の努力によって発売を成し遂げ、大きな成果を上げることができました。「FINAL FANTASY VII REMAKE」は、世界中のファンの皆様が心待ちにしていたタイトルであり、無事にお客様にお届けできたことは大きな喜びです。また、コロナ禍の影響により従来の店頭販売等が十分に機能しない中で、デジタル販売を大きく伸ばすことができたことは今回の成功の特徴の一つでした。デジタル販売へのシフトは従前より見られた傾向であり、当社もパッケージ販売からデジタル販売へのシフトを強力に推進すべく、様々な施策に取り組んできましたが、コロナ禍により、お客様の購買行動がさらにデジタルにシフトしました。「FINAL FANTASY VII REMAKE」のような大型タイトルは、市場投入の量を確保するために、パッケージ販売の比率が高くなりますが、新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、ロックダウンや緊急事態宣言が発出されたために、パッケージの生産を抑えざるを得ず、またお客様も外出がままならないため、店頭での購入からオンラインでの購入へと、需要、供給の両面から加速度的にデジタルシフトが進み、大きな利益貢献を実現することができました。今回のコロナ禍によって、加速度的に進んだお客様の購買行動におけるデジタルシフトは不可逆的であり、コロナ後もこの傾向は続いてゆくでしょう。今後さらにデジタルシフトを推進してゆきます。

また、「Marvel's Avengers（アベンジャーズ）」は、GaaS（Game as a Service）に挑戦した野心作でした。コロナ禍に対応した在宅勤務体制へのシフトなど、開発の最終局面における想定外の様々な困難を乗り越えてリリースまでこぎ着けたものの、残念ながら十分な成果を出すことができませんでした。一方で、GaaSというゲームスタイルへ挑戦したことにより、スタジオや開発チームの特性や嗜好に応じたゲームデザインを選択する必要性など、今後のゲーム開発における論点が明確となりました。この挑戦から得られた知見を、当社の今後のゲーム開発全体に活用してゆきたいと思います。本タイトルにおける新たな挑戦は厳しい結果となったものの、ゲームのサービス化が進展する中で、GaaSというアプローチはさらに重要な位置を占めることは間違いありません。このような流れをどのようにゲームデザインに取り込み、新しい体験を生み出すかが今後の重要な課題であると考えています。

また一方で、「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」、「BRAVELYDEFAULT II」等の優れたタイトルも、お客様にお届けすることができました。既存のIP（知的財産）を現代の技術でよみがえらせ、新たなお客様にお届けすることは戦略的にも重要です。このような取り組みは、従来からのファンの皆様のみならず、新たなお客様の獲得を通じて継続収益の厚みを増すことにも貢献しています。当社の有する豊富なIP資産の活性化を通じて、さらなる継続収益基盤の拡大につなげてまいります。