IR情報

2021年3月期 株主の皆様へ

アミューズメント事業

2021年3月期は、売上高343億円、営業損失15億円となり、1年を通して大変厳しい状況が続きました。特に、第1四半期の2020年4月~6月における日本国内の緊急事態宣言発出により、大都市圏を中心に大型店舗が休業を余儀なくされ、既存店の売上高は前期を大幅に下回る状況に陥りました。しかしながら、コロナ禍の長期化を見据えて、固定費水準の見直しにいち早く取り組み、収益性の改善に努めた結果、時短営業が継続したものの、2021年3月期の後半には売上高も回復の兆しを見せ、損失幅が縮小いたしました。日本国内では、4度目の緊急事態宣言が発出されるなど不安定な状況が続いておりますが、今後ワクチン接種が進むことにより、経済再開によるリバウンド需要と、コロナ禍を通じて取り組んできた筋肉質の店舗経営により、大幅な収益改善を期待しています。

出版事業

2021年3月期は、売上高268億円、営業利益116億円と、電子媒体と紙媒体の売上高が好調に推移したことに加え、コロナ禍における巣ごもり需要も相まって、大幅な増収増益を達成することができました。「薬屋のひとりごと」等の新たな作品の創出も積極的に行いました。また、新たな取り組みとして、2021年1月より新文芸レーベル「SQEXノベル」を創刊いたしました。新規IPの創出は、エンターテインメント企業にとって最も重要なテーマであり、今後は「SQEXノベル」を通じて、さらに多くの新しいマンガのIPが創出されることを期待しています。また、2021年3月期の出版業界では、「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」などの世界的大ヒットが生まれ、日本のコンテンツの底力を世界に示した年でもありました。当社出版事業のさらなる成長実現に向け、海外市場は欠くことのできない重要なピースです。数年前から取り組んでいる北米事業も、売上規模は日本国内と比べればまだまだこれからですが、着実に成長しています。海外展開においては、デジタル戦略が鍵になるものと考えています。「マンガUP!」のようなコミックアプリをグローバルで展開することにより、非連続的な成長を実現してゆきたいと考えています。

薬屋のひとりごと©2020 Natsu Hyuuga/Shufunotomo Infos Co.,Ltd.
©Nekokurage/SQUARE ENIX
©Itsuki Nanao/SQUARE ENIX

マンガUP!©2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved

ライツ・プロパティ等事業

2021年3月期は、売上高94億円、営業利益22億円となりました。これまでの当事業における二次的著作物の販売は、ゲームイベント等での物販が大きな収益機会でした。しかしながら、コロナ禍により状況は一変し、国内外ともに、大小問わずあらゆるイベントが軒並み中止に追い込まれ、大変な苦戦を強いられることが容易に予想されました。そこで、この状況を打開すべく、EC(電子商取引)へ軸足を移し、スクウェア・エニックス e-STOREや、オンライン配信に切り替わった東京ゲームショウなどの機会を通じて、ECの強化を図ったことで、上記のとおりの成果を実現することができました。コロナ禍により、当事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進される結果となったわけです。今後、リアルイベントの復活とともに、当事業の従来の商機もまた復活してゆくものと期待しますが、今回のコロナ禍で実現したDXは、当事業の今後の新たな成長ドライバーとなってくれるものと期待しています。


laoding...